世界の鍋料理 ~韓国篇~
2016/10/14
日本だけではなく世界中のさまざまな国に、ひとつの鍋を囲んで食事を楽しむという文化があります。他の国の人たちは、どんな食材を使って、どんなスタイルで鍋料理を味わっているのでしょうか。国や地域の特色が見られる鍋料理を求めて、世界をめぐる旅を始めましょう。今回のテーマは、韓国です。
韓国の食事には汁物が欠かせないため、汁物料理の種類がたくさんあります。汁物料理は、スープと鍋に大別され、「クッ」と「タン」はスープ類、「チゲ」と「チョンゴル」は鍋料理とされています。「クッ」と「タン」に明確な違いはないようですが、「タン」は動物性の食材をじっくり煮込んだ料理が多いようです。「チゲ」は具材が多く、煮込んだものを熱々の状態で食卓に運びます。「チョンゴル」は、材料を卓上で加えて調理しながら食べる、すき焼きのような料理です。
それでは、韓国の鍋料理を見てみましょう。
キムチチゲ
家庭でも食堂でも、もっともポピュラーな「チゲ(鍋)」です。韓国の食卓に欠かせないキムチと、野菜や豚肉などを入れますが、家庭料理なら冷蔵庫にあるものでOK。キムチは酸っぱくなった"古漬け"が好まれるそうです。ツナを入れたチャムチキムチチゲ、サンマを入れたコンチキムチチゲなどバラエティも豊富です。
プデチゲ
漢字で書くと「部隊チゲ」。戦地で兵隊たちがソーセージやウィンナー、コンビーフなどを入れて、辛いチゲを作ったことから「部隊」の名が付き、広まったそうです。米軍基地が近いソウル郊外の議政府(ウィジョンブ)がその発祥地と言われています。インスタントラーメンの麺、餅、春雨、豆腐、野菜が入るのでボリューム満点。
スンドゥブチゲ
日本の汲み上げ豆腐のように柔らかい豆腐を使います。漢字では「純豆腐」。あさり、かきなどの海産物や豚肉でだしを取るので、コクのある味わいが魅力。グツグツと煮立ったところに生卵を落として食べると、辛さとマイルドな味わいが渾然一体となって、さらにおいしく。日本にも専門店のチェーンがあり、独自のアレンジも増えています。
セゴギチョンゴル
チョンゴルは「韓国風すき焼き」とも呼ばれ、浅めの鍋に彩りよく材料を並べ、スープを注いで卓上で煮ながら食べます。セゴギ(牛肉)チョンゴルは、まさに韓国のすき焼きです。このほか、木綿豆腐や、手長だこなどの魚介、牛もつ、などのバリエーションもいろいろ。味付けは、コチュジャンをベースにした辛い物と、しょうゆベースの辛くない物があります。
カムジャタン
骨付きの豚肉を長時間煮込んだスープに粉唐辛子とごま、にんにくでスープを作り、ねぎやエゴマの葉、じゃがいも(カムジャ)を入れて煮ます。大きな骨のまわりについた肉と、スープのしみ込んだじゃがいもを味わう、ボリューム満点の鍋料理です。シメは残りの汁でご飯を炒める焼き飯(ポックンパッ)が定番だということです。
参考
掲載日 2016/10/14