本格的な"だし"にこだわる鍋料理
2017/02/10
「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことで、海外の人々は"だし"のうま味について知識を新たにし、日本人もあらためて"だし"の大切さと素晴らしさを再認識するようになりました。鍋料理をつくるときにも、本格的な"だし"にこだわってみませんか。
最近話題の「あごだし」
「あごだし」はトビウオのだしのことです。九州ではトビウオのことを「あご」と呼び、焼いて乾燥させてからだしに使います。「あごが落ちるほどおいしい」がその語源ともいわれています。焼きあごのだしは上品で味が深く、料亭や割烹で重用されてきました。近年では、だしパックに使われたことから、全国で知られるようになりました。
産地で使い道を選ぶ「昆布だし」
江戸時代に「天下の台所」と謳われた大阪(当時は大坂)を支えたのは、昆布などを使った「だし」の文化でした。昆布は生産地・北海道から北前船によって大阪に運ばれました。北海道産のなかでも、利尻昆布は透明で風味の良い高級だしに。羅臼昆布は黄色味を帯びた濃厚でこくのある高級だしに。日高昆布は佃煮昆布、昆布巻、おでん用、だし昆布などに使われます。
>参考:日本昆布協会「こんぶネット」
ソップ炊きには「地鶏だし」
ソップ炊きとは、鶏ガラだしをベースにしたスープで煮込むこと。ちゃんこ鍋の代表的な料理法の一つです。鶏だしにも使われる「阿波尾鶏(あわおどり)」は徳島県の特産で、肉のうま味成分であるグルタミン酸等の含量が、他の鶏種に比べて多く、甘みとコクがあります。ちなみに太った力士のことを魚のアンコウに似ていることから「あんこ型」、やせた力士を「ソップ型」といいます。
>参考:徳島県養鶏協会 阿波尾鶏ホームページhttps://www.tokutori.org
うま味たっぷり「かつおだし」
かつお節でだしをとる料理方法は日本独自のものです。かつお節でとっただしは、イノシン酸をはじめとするさまざまな"うま味"成分によって、独特な味わいがあります。うま味とは、甘味、酸味、塩味、苦味などと同様に、基本の味の一つで、イノシン酸やグルタミン酸によって作り出されます。現在、かつお節は完全な天然食品として、国内外から大きな注目を集めています。
>参考:一般社団法人日本鰹節協会:伝統食材"鰹節"
関連商品紹介
掲載日 2017/02/10