餃子をおいしくきれいに焼くコツを教えちゃいます

餃子をおいしくきれいに焼くコツを教えちゃいます

焼きの良し悪しで餃子のおいしさが決まると言っても過言ではありません。焦げてしまったり、フライパンにくっついて穴が開いてしまったり、焼きムラができてしまったりすると、せっかくの餃子のおいしさが損なわれてしまいますよね。

そこで、今回は家庭でも実践できるおいしくきれいに餃子を焼く方法をご紹介したいと思います。

まず、本題に入る前に絶対条件の確認です。必ず焦げ付きにくいフライパンを使いましょう。大抵のフライパンにはテフロン加工など焦げつき防止の加工がされていると思いますが、長い間使っているとこの加工が落ちてきてしまいます。汚れが取れにくいとか、焦げつきやすくなったと思ったら迷わずフライパンを交換しましょう。

強火と熱湯で蒸しあげる

それでは、本題に入りたいと思います。最初に火にかける前にフライパンにサラダ油を薄めに引いて餃子を並べます。餃子の底面だけに油をちょい付けするだけでもOKです。

餃子を並べ終わったら強火でフライパンを熱します。餃子の底が白っぽくなってきたらフライパンが熱くなった証拠です。そこに餃子の1/3ぐらいの高さまで熱湯を入れて素早くフタをします。ここで水ではなく熱湯を入れるのが最大のポイント。

餃子の皮は茹でるのではなく蒸すことによってモチモチっとした食感が出るようになります。茹でてしまうと、皮がのびてしまいモチモチ食感が失われてしまいます。熱々のフライパンに熱湯を注ぐことによって、瞬時に水蒸気になるため、茹でではなくすぐに蒸すことができるのです。

フライパンはなるべくフタを開けずに中の水分がなくなってくるまで蒸しあげましょう。おおよそ4~5分で蒸しの工程は完了するはずです。

焼きムラ防止と仕上げの油切り

フライパンのなかの水分が無くなってきたらフタを開けて油をフライパンのフチの方から回しかけします。ごま油を使えば香りがよくなりますし、サラダ油や米油を使うと軽めに仕上がります。残った水分と油が喧嘩をして油がはねるのでもう一度フタをします。

強火のまま油が餃子の下にまんべんなく回るように、フライパンを揺らします。火の当たり方は均一ではないので、フライパンを下ろす時に最初の位置と回転をさせて置くと、焼きムラができにくくなります。

焼き色がついてきたら仕上げです。慣れるとパチパチという音の変化で上げどきがわかる様になるのですが、慣れないうちは箸やトングで餃子を一つ持ち上げて、直接焼き色を見てしまうのが確実です。良きタイミングで火を止めて餃子の上から丸皿を被せ、お皿で餃子を抑えながらゆっくりひっくり返します。フライパンの大きさよりも一回り小さな丸皿を使うのがポイントです。

餃子を丸皿にひっくり返す際に、横にしたところで一旦止めてしっかりと油切りをしましょう。油を切ることで餃子がべとつかずカリッとした焼きあがりになります。フライパンはとても熱くなっているので火傷に注意してください。自信がない方はフライ返しやトングを使って餃子を取り出してください。

羽根つき餃子も意外と簡単

一般的な餃子の焼き方をマスターしたら羽根つき餃子にも挑戦してみましょう。美しい羽をつけるのは難しそうに見えますが、意外と簡単にできるのです。

羽根の素となるのはお湯で溶いた小麦粉。片栗粉でも羽根はつきますが、片栗粉の羽根はすぐに空気中の水分を吸ってしんなりしてしまうので、小麦粉がオススメです。お湯と小麦粉の配分はお湯20に対して小麦粉1の割合が目安です。

羽根つき餃子の焼き方は餃子を並べてフライパンを熱した後に熱湯の代わりにお湯溶き小麦粉をフライパンに投入するだけ。餃子は羽根を作るスペースを作るために、間を開けて並べた方がきれいに仕上がります。後は前述の普通の餃子の焼き方と全く同じ。

水分が飛ぶと餃子の周辺にうっすらと羽根らしきものが現れます。このタイミングで油を回しかけて、軽くフライパンを振ってあげると羽根がフライパンのそこからふわっと浮き上がります。羽根の色がきつね色になってきたら焼きあがりのサイン。わざわざ餃子の焼き面を見なくても焼きあがりのタイミングがわかるので、普通の焼き方よりも簡単かもしれません。丸皿にひっくり返せば美しい羽根のついた羽根つき餃子の完成です。


最初は難しいかもしれませんが、ちょっとした焼きのコツさえつかめば家庭の餃子が数段レベルアップしますので、ぜひ試してみてくださいね。

塚田編集長の餃子コラムBack Number


塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は1000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)