テキーラと創作餃子が楽しめる「Gatito」(後編)
餃子専門サイト「東京餃子通信」の編集長の塚田亮一です。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」は、東京・大井町にあるテキーラ専門バー「Gatito(ガティート)」店主の伊藤裕香さんに、テキーラやメスカルと餃子のペアリングについて教えていただきます。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」は、東京・大井町にあるテキーラ専門バー「Gatito(ガティート)」店主の伊藤裕香さんに、テキーラやメスカルと餃子のペアリングについて教えていただきます。
「Gatito(ガティート)」店主の伊藤裕香さん
レンコンと実山椒の餃子
伊藤さんが創作餃子を考える際には、ペアリングを想定するテキーラやメスカルの風味などから食材や味付けを考えるそうです。
今回紹介いただく最初の餃子は、フォルタレサ レポサドとのペアリングをイメージした餃子です。フォルタレサは、伝統的でとても手間のかかる製法で作られる100%アガベのテキーラです。レポサドは「休ませた」という意味で、樽での熟成期間が2か月~1年間のものを指します。「甘い香りとほんのりスパイシーなのが特徴で、ストレートも美味しいですが、ハイボールで飲むのもおすすめです。」と伊藤さん。
このテキーラハイボールをイメージしたレンコンと実山椒の餃子。ベースの餡は豚肉と白菜で、オイスターソースやニンニク、生姜などで下味をつけています。豚肉のジューシーさをしっかり感じつつも、レンコンのシャキシャキ食感、実山椒の爽やかな香りと痺れ感がとても印象的な餃子でした。
爽やかな風味がテキーラハイボールとベストマッチ。同時に豚肉のジューシーさを、テキーラハイボールが一旦リセットもしてくれるので、無限に食べられてしまいそうな組み合わせでした。
テキーラハイボール×レンコンと実山椒の餃子
ルッコラとパクチーの餃子
続いて、メスカルのトップブランド「ラ メディダ」の「マドレクイシェ」というメスカルに合わせた餃子を紹介いただきました。
ラ メディダでは、熟練した生産者が完全な手作業で100%オーガニックなメスカルを生産しています。また、アガベをブレンドせずに蒸留するため、それぞれのアガベの特性が最大限に引き出された個性的な香りが楽しめるのが特徴です。
マドレクイシェは、メキシコの乾いた高地に自生する細長く椰子の木状に成長するアガベです。野生のマドレクイシェを使ったこのメスカルは、グラッシーな青っぽい香りとミネラル感が特徴です。
このメスカルをイメージした餃子は、ルッコラとパクチーの餃子です。ベース餡は、前述の餃子と同じく豚肉と白菜です。ここにルッコラのかすかな苦みとパクチーの清涼感のある清々しさが加わります。更にアクセントとして使っているのがキンカン。キンカンの爽やかな香りと皮の苦みを最後にふわっと感じます。
この餃子の複雑な香りの余韻を残した状態で、マドレクイシェを口に含むと野生のアガベの力強さが感じられました。メスカルの魅力にハマる一歩となりそうな組み合わせでした。
マドレクイシェ×ルッコラとパクチーの餃子
ゴボウとアオサの餃子
最後に紹介いただいたのが、同じく「ラ メディダ」の「ハバリ」をイメージした餃子です。とげの形がイノシシの牙に似ていることから、イノシシを意味するスペイン語「ハバリ」の名が付いたアガベを使ったメスカルです。
野生のハバリは成熟するまでに10年以上もかかり、メスカルに使うアガベの中でも非常に希少な品種とのこと。また、ハバリは発酵させるのが非常に難しく、メスカル作りに特に高い技術が必要なんだそうです。ハバリの特徴はメキシコの乾いた大地を想わせるアーシー感。土の香りや根菜の香りなど複雑な香りが楽しめます。
ハバリに合わせるのは、ゴボウとアオサという意外な組み合わせの餃子です。ベース餡は豚肉と白菜で、そこにゴボウとアオサが加えられています。ゴボウの土の香りとアオサの磯の香り、一見すると真逆とも思われる香りの組み合わせが複雑で面白い。ゴボウのシャキシャキ食感も印象的でした。
ハバリとのペアリングは、メキシコと日本の自然が融合されたような壮大な気分になれました。
ハバリ×ゴボウとアオサの餃子
今回は、テキーラやメスカルの奥深さと、それに負けない餃子の無限の可能性を学ぶことができました。皆さんも、定番のペアリングや食材だけでなく、たまにはチャレンジをしてみても楽しいと思いますよ。
店舗情報
●店名:「Gatito(ガティート)」
●所在地: 〒140-0014 東京都品川区大井4-10-7
●営業時間:
18:00 - 23:30
●休業日:不定休。Facebookページでご確認ください。
●電話番号:03-3774-7757
●Gatito Instagram アカウント:https://www.instagram.com/gatito.tequila/
●店名:「Gatito(ガティート)」
●所在地: 〒140-0014 東京都品川区大井4-10-7
●営業時間:
18:00 - 23:30
●休業日:不定休。Facebookページでご確認ください。
●電話番号:03-3774-7757
●Gatito Instagram アカウント:https://www.instagram.com/gatito.tequila/
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塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)