進化系ネパール餃子とワインが楽しめる専門店「MOMO Stand Tokyo」(後編)

進化系ネパール餃子とワインが楽しめる専門店「MOMO Stand Tokyo」(後編)

餃子専門サイト「東京餃子通信」の編集長の塚田亮一です。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」は、前回に引き続き広尾のモモ専門店「MOMO Stand Tokyo」オーナーソムリエの齋藤幸太さんとシェフのシリちゃんに、ネパール餃子「モモ」のアレンジメニューについて教えていただきます。
  • オーナーソムリエの齋藤幸太さんとシェフのシリちゃん
  • オーナーソムリエの齋藤幸太さんとシェフのシリちゃん
オーナーソムリエの齋藤幸太さんとシェフのシリちゃん
 

スペシャリテは「ポークモモ」

これまで30種類近いアレンジモモを提案してきたMOMO Stand Tokyoのスペシャリテとして、不動の一番人気を誇っているのが「ポークモモ」です。前回のチキンモモとならびポークモモも本場ネパールでも人気のメニュー。「うちのポークモモはシリちゃんの実家でも作られていたモモがベースとなっています。」と齋藤さん。
餡に使う材料は、粗目に挽いた豚肉と玉ねぎ、ニラ、パクチー、ニンニク、生姜。これにシナモンで香り付けをします。これを皮で包んで蒸し上げます。ここまでの作り方はチキンモモに近いですね。
蒸し上がったポークモモは、食べる直前にお客さんの目の前で熱々のスープをたっぷりかけて提供しています。スープは、各種スパイスに加えて芳香な金ゴマと仕上げのパクチーで香りのアクセントを付けています。ポークモモの中にスープを染み込ませて食べるのがおすすめです。
  • ポークモモ
  • ポークモモ
スープをたっぷりのポークモモ
 


蒸したモモを炒めたり揚げたりするのも定番

「ネパールでは、蒸したモモを他の食材と一緒に炒めたりもするんです。」と齋藤さんが紹介してくれたのが「チリモモ」です。蒸しあげたチキンモモをパプリカや玉ねぎといった野菜と一緒にトマトペーストのソースを絡めて炒めた料理です。
海鮮類や肉類を野菜と一緒に炒める料理は日本にも色々とありますが、一度完成したモモを食材として炒め物にするというのはユニークですね。青唐辛子の辛みがピリッと効いていて、お酒とのペアリングも色々と試せそうです。
更に齋藤さんは「蒸したモモを揚げるという調理方法もあります。」と、期間限定で提供している「カボチャの揚げモモ」を紹介してくれました。カボチャとカボチャの種の餡にシナモン、クローブ、グリーンカルダモンなどで香りを付けています。これにネパールのラム「ククリラム」を使ったキャラメルソースを付けて食べます。デザートとしても楽しめるモモで、サクサクっとした軽い食感が印象的でした。
  • チリモモ
チリモモ
  • カボチャの揚げモモ
  • カボチャの揚げモモ
カボチャの揚げモモ


 

料理の国境を越えたオリジナルモモたち

MOMO Stand Tokyoでは、本場ネパールにはない様々なTokyoスタイルのモモも提案しています。「内陸のネパールではあまり見かけない、シーフードを使ったモモに挑戦してみました。」と齋藤さん。
「シーフードモモ」の餡のメイン食材はあさりで、グリーンオリーブと一緒に白ワインでマリネにしたものを皮で包んで蒸し上げています。これにベシャメルソースをたっぷりとかけ、仕上げにティムールというネパールの山椒を足せば完成。クラムチャウダーの様な風味なのですが、ティムールの香りがネパールっぽさも演出しています。白ワインとの相性が良いということで、シュナン・ブランという品種を使ったロワール地方の「マダムレーヴ」を薦めてくれました。
続けて齋藤さんが「五平餅をイメージしたモモを作ってみたんです。」「マトンモモ」を紹介してくれました。粗挽きのマトンにクルミとブルーチーズを混ぜた餡を皮で包んで一旦蒸します。これを五平餅の様な形に少し押しつぶしてから直火にかけて表面に焦げ目をつけます。炒めたクミンシード、信州味噌とギー(バターオイル)を使ったタレをかければ完成。ここまでクセの強い食材を組み合わせているのにも関わらず、不思議と一体感のあるのに驚きました。齋藤さんおすすめの南仏の赤ワイン(ジェラール・ベルトラン)とのマリアージュも素晴らしかったです。
  • シーフードモモ
シーフードモモ
  • マトンモモ
マトンモモ
 
ネパール餃子のモモをアレンジして、一皿一皿楽しめる料理に昇華していることに驚きました。普段作っている日本の餃子も、このような観点でアレンジすると新しい楽しみ方が見つかるかもしれないですね。
 

  • MOMO Stand Tokyo
店舗情報
●店名:「MOMO Stand Tokyo」

●所在地:〒150-0012 東京都渋谷区広尾5-18-8 1F
●営業時間:
12:00-15:00/17:00-00:00(月・火・水・木・金)
15:00-00:00(土・日・祝日)
●休業日:不定休(臨時休業あり)
●電話番号:050-5600-8919
●Instagram(公式アカウント):MOMO Stand Tokyo (@momostand.tokyo)
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  • 塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
    2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
    「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
    これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
    長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
    作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)