鍋料理の基礎知識 ~歴史篇~
2017/02/10
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和食の定番として知られる鍋料理ですが、その歴史は意外に浅いようです。今回は、鍋料理の歴史をひもといてみましょう。
そもそも「鍋料理」ってどういう料理?
辞書によると、鍋料理とは「食卓上で、野菜・肉・魚介類を鍋で煮ながら食べる料理。」(大辞林 大三版)などと定義されています。鍋で調理する料理は古代からありましたが、ひとつの鍋を大勢で囲んで煮ながら食べる現在のようなスタイルではなく、鍋からそれぞれに取り分けていました。
江戸時代の鍋料理は小鍋で作る「ひとり鍋」
江戸の町人たちは「小鍋立て」といって、小鍋や行平鍋で1~2人前の鍋料理を作っていました。「あさりと小松菜の煮物」「いわしの生姜煮」などを七輪や長火鉢の火にかけて、煮ながら食べていたようです。このほか、江戸時代の料理書には「鍋焼」や「湯やっこ(湯豆腐)」などが記載されています。
近代鍋料理は文明開化とともに始まった
明治時代になると「肉食=文明開化」として、現在のすき焼きの原点となる「牛鍋」が流行しました。「すき焼き」はもともと田畑を耕す鋤(すき)の上で鴨肉などをタレで焼く料理、従来の「牛鍋」は牛肉を味噌で煮る料理でした。2つの料理が1つになった「すき焼き」ですが、当初は小鍋で作っていました。明治の初めの頃はまだ、一人ずつに用意されたお膳で食事をしていたためです。やがて、明治後期にちゃぶ台や座卓が普及すると、ひとつの鍋をみんなで囲む、現在の「鍋料理」のスタイルへと変化したのです。
掲載日 2017/02/10