世界の料理から発想した創作餃子「De-De GYOZA」(後編)
餃子専門サイト「東京餃子通信」の編集長の塚田亮一です。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」では、前回に引き続き「De-De GYOZA」の店主、松井まり子さんに、世界各国の料理から発想を得た創作餃子の作り方を教えていただきました。
もしもトルコ人が餃子を作ったら?
世界三大料理の一つとされるトルコ料理には、餃子に似た「マントゥ」という料理があります。マントゥは、羊肉の餡を小麦粉の皮で包んだ小粒のダンプリングで、トルコでも人気のある料理の一つです。
しかし、松井さんは、「もし家庭料理として日本の焼き餃子があったとしたら」という観点から、「もしもトルコ人が餃子を作ったら?」をテーマに創作餃子を開発しました。
松井さんがトルコ人をイメージして作った餃子は、ケバブ入りの焼き餃子です。餡には、羊肉(ラム)と玉ねぎ、トマトを加えて甘味と酸味をプラスします。香味野菜としてニンニクと生姜を加え、クミン、唐辛子、タイムなどのスパイスで香り付けを行います。さらに、皮にもクミンパウダーを練り込み、香りを付けています。
羊肉の旨味とスパイスの香りがクセになる、箸が止まらなくなる餃子でした。
トルコ編 クミンとラムのケバブ餃子
もしもスペイン人が餃子を作ったら?
トルコから更に西に進んでスペインへ。「スペイン人の食卓に欠かせないのがパプリカパウダーです。」と松井さんは言います。パエリア、ガスパチョ、アヒージョなど、どんな料理にもパプリカパウダーを加えるそうです。De-De GYOZAで使っているのはスモークタイプのパプリカパウダーです。こちらを少量試食させてもらうと、かつお節に似たスモーキーな香りがすることに気づきました。スペイン人と日本人の食の好みが似ているのかもしれないですね。
スペインは大西洋と地中海に面しており、海産物が豊富です。そこで松井さんがスペイン人をイメージして創作した餃子の餡には、鶏肉のベースに加えて、海老、イカ、あさりなどの海鮮をふんだんに使用しています。そこに玉ねぎ、パセリ、ニンニク、生姜にパプリカパウダーで風味付けを行います。
スペインの雰囲気を感じさせつつ、どこか和の要素も感じられる、新しくも懐かしい味わいの餃子でした。カヴァにも、日本酒にも合う餃子です。
スペイン編 スモークパプリカとシーフードの餃子
季節を表現する餃子
De-De GYOZAでは、「もしも」シリーズ以外にも、季節の旬の食材を使用した創作餃子を提案しています。この冬には、春菊の餃子を展開しました。餡に春菊を使用するだけでなく、皮を練る際に春菊をペースト状にして練り込むことで、見た目にも美しい緑色の餃子を実現しています。
餡の具材は、豚肉をベースにたっぷりの春菊を使用し、風味付けは塩とごま油でシンプルに仕上げています。ここにたくあんを加えることで、食感と風味にアクセントをつけています。漬物や野菜は、実は餃子の具材として非常に優れています。
お店では基本的に焼き餃子で提供していますが、春菊餃子はリクエストに応じて水餃子としても提供しています。「味付けポン酢をかけて食べると、まるでお鍋料理のようで美味しいですよ!」と松井さん。まさに鍋料理をそのまま餃子の皮で包んだような、そんな美味しさです。
季節の餃子 春菊
前回、今回と2回に渡って松井さんに創作餃子の作り方を教えていただきました。皆さんも松井さんにならって、自由な発想で餃子作りに挑戦してみてはいかがでしょうか?
店舗情報
●店名:De-De GYOZA(食のスタイルLabo)
●所在地:〒153-0051 東京都目黒区上目黒5-32-4
●営業時間&定休日:Instagramページ「dede_gyoza」よりご確認ください。
●Instagramページ https://www.instagram.com/dede_gyoza/
●店名:De-De GYOZA(食のスタイルLabo)
●所在地:〒153-0051 東京都目黒区上目黒5-32-4
●営業時間&定休日:Instagramページ「dede_gyoza」よりご確認ください。
●Instagramページ https://www.instagram.com/dede_gyoza/
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塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)