シンソルロは別名「悦口子湯」(ヨルグジャタン:열구자탕)ともいい、その名のとおり「口が悦ぶスープ」、すなわち山海のさまざまな逸材をとり合わせ、手間をかけて仕込んだ贅沢な鍋料理です。韓国料理の中でもほかに類を見ない独特な料理ですが、調理法上、「チョンゴル」(전골)のジャンルに分類されています。
シンソルロは、中央に煙突のついた専用の金属鍋「神仙炉」に、下ごしらえした各種の具材を放射状に並べ入れ、スープを注いで煮ながらいただきます。この料理には、李氏朝鮮王朝時代にさかのぼる、次のようなエピソードが残されています。
李朝第10代王・燕山君の在位期間中(1494~1506年)、国王側近の文官で詩や易学にも通じていた鄭希良が、たび重なる士禍(王朝による官吏の弾圧)により世俗を疎み、山中に隠れ住む中で、火爐を作って野草山菜を煮炊きしたといいます。その気風があたかも神仙のようだったことから、その火爐は「神仙炉(爐)」と呼ばれるようになった、という話です。
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