伝統的な韓国料理のおかずのひとつで、家庭でも飲食店でもよく作られる人気メニューに、チャプチェ(잡채)があります。チャプチェは漢字で「雑菜」と書き、幾種類もの野菜、きのこ、牛肉などを細切りにして炒め、韓国式の春雨と混ぜ合わせて作ります。
古くは李氏朝鮮王朝時代の17世紀ごろから、文字どおりさまざまな野菜類を炒め合わせて汁をかけた「雑菜」という料理名が文献に現れるようになります。現在のような春
雨を主材料とするスタイルになったのは、日本統治時代の1919年に、朝鮮半島北西部の黄海道・沙里院で春雨工場が稼働し始めてから後のことであると言われています。
また、韓国式の春雨はさつまいも澱粉を主原料とするもので、中国や日本の一般的な春雨と比べて太くコシが強いのが特徴です。
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チャプチェバプ(잡채밥)
近年、チャプチェをカレーライスのようにご飯にかけた安価な一品料理、チャプチェバプ(잡채밥)が人気です。チャプチェバプのチャプチェは味が濃い目で油っこく、タレがとろりとご飯にしみたような仕上がりが一般的です。
特に、チュングッチプ(중국집)と呼ばれる韓国の中華料理店で、近年このメニューがよく見られるようになりました。チュングッチプにおけるチャプチェバプは、チャジャンミョン(炸醤麺)級の庶民メニューで、チャジャンミョン同様にタクアンや玉葱、甘味噌、スープがついてくることが多いようです。そして、チャプチェとチャジャンソースの両方がかかったハーフ&ハーフバージョンや、ご飯がチャーハンになったチャプチェポックムパプ(잡채볶음밥=チャプチェチャーハン)、さらに目玉焼きがのったバージョンなど、見るからに食指が動く魅力的なメニュー構成となっています。
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