近年、日本でも「チョレギサラダ」という言葉を耳にするようになりましたが、「チョレギ」(저래기)とはコッチョリ同様、野菜を生のままヤンニョムで和えた料理のひとつです。チョレギはコッチョリのチョリ(절이)と同じく、「漬ける」を意味する動詞「チョリダ」(절이다)に由来する料理名で、慶尚道方言では「チェレギ」(재래기)と言うこともあります。
白菜がポピュラーだったコッチョリに対して、チョレギの主材料となるのはサンチュ(상추)が圧倒的に多く、そこにわかめや刻んだ葱、玉葱、大根、梨などが加えられることもあります。
また、サンチュ以外では葱、にら、白菜、大根、きゅうりなどもチョレギにされ、それぞれパチョレギ(파저래기)、プチュチョレギ(부추저래기)、ペチュチョレギ(배추저래기)、ムウチョレギ(무우저래기)、オイチョレギ(오이저래기)などと呼ばれます。
チョレギのヤンニョムとしては、しょうゆをベースに、ごま油、粉唐辛子、にんにく、葱、ごま、胡椒、酢、砂糖などを混ぜたものが一般的です。ほかに、オリゴ糖や梅シロップ、蜂蜜、魚醤などを加えることもあります。
そして、これらの料理はしばしば、「和え物」を意味する「ムッチム」(무침)や、「サラダ」を意味する「セッロドゥ」(샐러드)などとも呼ばれるとことがあります。たとえばサンチュコッチョリ(상추겉절이)の場合、サンチュムッチム(상추무침)、サンチュセッロドゥ(상추샐러드)などとも呼ばれます。このあたりが外国人にはわかりづらいところでもありますが、チョレギのヤンニョムを和え物の合わせ調味料、あるいはサラダのドレッシングと考えれば、調理法の共通点を見出すことができるのではないでしょうか。