とうがらし味噌。しょうゆ、味噌と並ぶ、韓国固有の発酵調味料のひとつ。澱粉の甘味と、大豆のうま味、とうがらしの辛味、塩の塩味が調和して独特な味を醸し出します。
韓国でコチュジャンが作られるようになったのは18世紀後半といわれ、1869年に刊行された料理書『閨閤叢書』には、(全羅北道)と(忠清南道)のコチュジャンが郷土名物として出てきます。
伝統的なコチュジャンの製法は、穀物の粉に水を加えて糊状に炊いたものに、味噌玉の粉を混ぜて糖化させた後、とうがらしの粉と塩を加え熟成させる、というものです。主材料となる穀物により、コチュジャンは次のような種類に分けられます。
・チャプサルコチュジャン(찹쌀고추장):もち米のコチュジャン。コチュジャンの中では最高級のものとされ、料理を選んで使われてきましたが、昨今出回っているコチュジャンは、もち米のものが主流です。
・メプサルコチュジャン(멥쌀고추장) :うるち米のコチュジャン。
・ミルコチュジャン(밀고추장) :小麦のコチュジャン。
・コグマコチュジャン(고구마고추장) :さつまいものコチュジャン。
・ポリコチュジャン(보리고추장) :大麦のコチュジャン。夏場、サム(サンチュやえごまの葉などにご飯や味噌を包んで食べる料理)を食べるとき、一緒に包む味噌だれ「쌈장」(サムジャン)によく使われます。
コチュジャンは韓国料理のさまざまな場面で使われます。味噌同様、スープやチゲ(鍋もの)の味つけに使ったり、和えもの、焼きもの、炒めもの、刺身などのたれに、他の薬味調味料と混ぜ合わせて使ったりします。また、ピビムパプを食べるときは、コチュジャンを加えてスッカラッ(匙)で全体をよく混ぜてから食べます。