韓国焼酎(소주와)

韓国焼酎

焼酎は韓国でソジュ(소주)といい、漢字では、中国語の流れを汲んで「焼酒」と書きます。昨今の韓国ドラマでもグリーンの焼酎瓶がよく登場するとおり、韓国庶民にとって焼酎はたいへん身近な存在です。
朝鮮半島において焼酎は、古くはマッコルリを蒸留する伝統的な方法で、一部の上層階級において作られていたようですが、日本統治時代に日本方式の焼酎醸造所が各地に建てられ、次第に大衆化したと言われます。
日本では、焼酎が製造方法によって次の2種類に大きく分類されています。

・甲類焼酎...連続式蒸留方法で造られた、アルコール度数36度未満のもの。原料は糖蜜、とうもろこし、麦などだが、蒸留過程でアルコール以外の成分が取り除かれるため、原料に関係なく無味無臭でくせのない仕上がりとなる。高度数に抽出した後、一定の度数に希釈して商品となる。
・乙類焼酎...単式蒸留方法で造られた、アルコール度数45度以下のもの。シンプルな蒸留で原料の香味成分も抽出されるため、原料によって麦焼酎、米焼酎、芋焼酎、そば焼酎、黒糖焼酎など独特な味と香りが出るのが特徴。乙類の中で、さらに特定の原料や伝統製法によって作られたものを「本格焼酎」「泡盛」と称す。

この分類に従うと、朝鮮半島でかつて作られていた伝統焼酎は「乙類焼酎」であったことがわかります。そして現在の韓国焼酎は、「希釈式」と呼ばれる「甲類焼酎」にあたり、芋、麦、タピオカなどを原料とし、砂糖や甘味料を加えた甘いタイプのものが一般的です。
アルコール度数は20~40%程度までさまざまなものがありますが、近年は20%もしくは17~18%といった低アルコール焼酎が主流となっています。低度数化している背景には、健康志向や、ストレートで盃を一気に飲み干す飲み方が影響しているものと思われます。
また、焼酎の瓶が近年小型化しているのも目を引きます。一度開けたら飲み切る、足りなければ何本でも開ける、といった飲み方に韓国の国民性が表れているようでもあります。

韓国焼酎
韓国焼酎


薬念研究所HP:キーワードで見る食文化2021年10月「焼酎とマッコルリ」より転載