プチュ(부추)にら

にらは、中国西部原産で、現在は西アジア~東南アジア、東アジアにかけて広く栽培されます。生命力の大変強い植物で、根元から葉を刈り取ってもすぐに新芽が伸び、20日ほどで繁茂してくるため、春~秋にかけての生育期間中に何度も収穫することができます。

にら

にらは、大きく分けて細葉系と広葉系の品種があり、日本では暑さと乾燥に比較的弱い広葉系が栽培の主流なのに対し、韓国では耐寒・耐暑・耐乾性があり辛味の強い細葉系の在来種が主流となっています。また、韓国には호부추(ホブチュ)という下部が白い品種や、실부추(シルブチュ)という松葉ほどの細い品種もあり、料理によって使い分けられます。 新芽が伸び、20日ほどで繁茂してくるため、春~秋にかけての生育期間中に何度も収穫することができます。

栄養的にみると、にらはビタミンA・B2・Cや、カルシウム、カリウム、鉄などのミネラルが豊富な緑黄色野菜。独特なにおいの成分、硫化アリル(アリシン)が、にんにく同様ビタミンB1と結合してその吸収を高め、体内に長く留まらせるため、体によいさまざまな効果が見られます。具体的には、胃腸のはたらきを助け、体を温め、代謝促進、疲労回復、強壮作用、食欲増進、胃腸、老化防止、風邪予防、抗がん効果などです。

にらを使った韓国料理には、次のようなものがあります。

・プチュギムチ(부추김치):にらのキムチ

プチュギムチ(부추김치):にらのキムチ
 

・プチュコッチョリ(부추겉절이):にらの即席和え
柔らかいにらやシルブチュを使って、生のまま薬味じょうゆなどで和えたもの。

プチュコッチョリ(부추겉절이):にらの即席和え
 

・プチュムッチム(부추무침):にらの和えもの
にらをさっと茹でて塩味やみそ味、とうがらし酢みそ味などで和える。

・プチュジョン(부추전):にらのお焼き
小麦粉生地ににらを混ぜて油で薄く焼いたもの。

プチュジョン(부추전):にらのお焼き
 

また副材料として、炒めものや煮もの、鍋ものなどにも使われます。

薬念研究所HP:キーワードで見る食文化2008年6月「プチュ(부추)にら」より転載